最も小さなことに忠実な人は、大きなことにも忠実であり、最も小さなことに不忠実な人は、大きなことにも不忠実です。
ルカの福音書 16:10
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新しい部署に異動になって1ヶ月近くが過ぎた。
異動といっても新設部署だから、メンバーも他部署からの寄せ集め 、業務領域もルールもゼロから作り上げた。
一番心を砕いたのは、心理的安全性の確保である。
私を含めてわずか4人の小さなチームではあるが、Kickoff の面談では、新部署に対する期待以上に不安が大きいことを、 皆が口にした。
Visionaryなリーダーとして大きな目標を掲げることも大 切であるが、同時に共に働くメンバーが抱える3つの不(不安、不 満、不信)を丁寧に除去しなくてはならない。
これってまさに、ハーズバーグの「二要因理論」の衛生要因である 。学んだ知識ではあるが、衛生要因とは簡単に言えば職場環境のこ とで、言ってしまえば、これを向上、改善したからといって、働く 意欲が向上するわけではない。
でも、だからといってどうでもいいとはならず、衛生要因を放置す ると、3つの不ばかりか、もう1つの不を産み出す。
それは、不幸である。
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衛生要因はあるのが当たり前であり、だからこそ欠けていると、そ こから「不」が忍び寄ってくる。
新しいチームは、不安が大きくても緊張感があり働く意欲が高く保 たれているから、最初は困らない。
しかしその状態に安住してはならない。
衛生要因に働きかけると同時に、他方の動機付け要因も刺激してい かねば、いずれ緊張は緩み、働く意欲は低下する。
そうならないために、意識的に対話することを心がけている。
営業職のときは、1人ひとりが担当エリアを持ってほぼ直行直帰と いう裁量労働制であったから、チームのメンバーと対面で話す機会 は月に一度あるかないかだった。
しかし、今はオフィスの1つのシマに4人が揃っている環境で、い つも顔を見て仕事ができる。面白いもので、目の前にメンバーがい ても、話さないでおこうと思えば、それなりに会話をせずに過ごせ てしまう。
それは面白いというか、むしろ恐ろしいことだ。
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対話をするときに思うのは、正直でありたいということ。そして、 心の中でつぶやく聖句が、今日の聖句だ。
実は日本にも同じような諺がある。
「大事の前の小事」
…厄介なことに、この諺には相反する2つの意味がある。
(1) 大事をなすには、小事にも気をつけ油断してはならない。
(2) 大事をなそうとするときは、小事にかまってはいられない。
もちろん、聖句は(1)の意味である。
マイクロマネジメントをする訳ではなく、メンバーが発する些細な サイン(言葉、表情、仕草とか)を見逃さないようにする。
小さなことに忠実なリーダーでありたいと願う。大事を為せるかど うかは分からないが…。