いと高き所に栄光が、神にあるように。
地の上に平和が、御心にかなう人々にあるように。
ルカの福音書 2:14
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この賛美は誰が誰に言ったのか?
ルカの福音書2章を追いかけてみよう。
「さて、その地方で、羊飼いたちが野宿をしながら、羊の群れの夜 番をしていた。
すると、主の使いが彼らのところに来て、主の栄光が周りを照らし たので、彼らは非常に恐れた。
御使いは彼らに言った。
『恐れることはありません。見なさい。私は、この民全体に与えら れる、大きな喜びを告げ知らせます。今日ダビデの町で、あなたが たのために救い主がお生まれになりました。この方こそ主キリスト です』(中略)
すると突然、その御使いと一緒におびただしい数の天の軍勢が現れ て、神を賛美した」
そして、今日の聖句「いと高き所に栄光が、神にあるように。地の 上に平和が、御心にかなう人々にあるように」と続く。
私はこれまで、この賛美は御使い、つまり天使が言ったものと思っ ていたが、間違っていた。
天使は、イエスが誕生することと、 それが救い主(メシア=キリスト)であることを告げたのであって 、賛美をしたのは天の軍勢であった。
天の軍勢と言うと、なんだか物々しいが、お告げをした天使(マリ アやヨセフに告げたのと同じガブリエルかもしれない)とは別の天 使たちの集団のことだと思う。
年末といえば第九、特に1万人の第九をイメージするといい。あの コーラスのように、天使たちは神を賛美したのだ。
黙示録によると 、私たちは、終末時代にこの天使たちの大コーラスを聴くことがで きる。さぞ素晴らしいものだろう。
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では、誰に対してかと言うと、これはハッキリ羊飼いと書いてある 。
さすがにこれは私でも間違えない。というか、子どもでも知っている。
ルーブル美術館所蔵の絵画を見てみよう。
「キリストの誕生を羊飼いに告げる天使たち」
https://sononism.com/sheperds
羊飼いは、当時の社会で最下層に位置付けられていた職業であった 。羊の夜番をしている羊飼いたちは、暗闇に現れた突然の光と天使 にさぞ驚いたであろう。
絵画からも「彼らは非常に恐れた」ことがありありと伝わってくる 。
この羊飼いたちは、当事者のマリアとヨセフ以外でイエス誕生のこ とを直接知らされた最初の人たちである。神があえて社会の最下層 にいる羊飼いたちを、救い主誕生の証人として選ばれたことに、 神の奥深さを感じる。
彼らは、最初は驚き、恐れ戸惑ったが、天使たちが去ったあと「さ あ、ベツレヘムまで行って、主が私たちに知らせてくださったこの 出来事を見届けて来よう」と、急いで出かけて行った。
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私は、この羊飼いの素直で直情的な反応に心打たれる。
ストレートに天使の言葉を信じ、イエスの誕生を目の当たりにし、 声高らかに賛美する。どれほどの喜びに包まれていたことだろう。 仕事の辛さも吹き飛んでしまったに違いない。
信じることのすばらしさ、すぐに行動することのすばらしさを感じる。
そういえば、聖書では神を羊飼い、私たち人間を羊に例えることが ある。羊飼いの純真さは、汚れなき神のそれに通ずるものがある。
羊飼いの信仰に倣う、それはまさに神の性質に近づくことになる。
「羊飼いたちは、見聞きしたことが全て御使いの話の通りだったの で、神をあがめ、賛美しながら帰っていった」とあるように、 羊飼いの信仰に倣い、賛美の声を上げたい。
二千年前にこの世に来られたイエスキリストを覚えて賛美する。そ して再び来られることを待ち望んで、アドベントのいま、「主よ来 てください」と賛美する。
主よ、暗き世に光を照らしてください。
メリークリスマス!