ダビデと全イスラエルは、歌、竪琴、琴、タンバリン、シンバル、 ラッパをもって、神の前で力の限り喜び踊った。
歴代誌 第一 13:8
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聖書で知るダビデは実に魅力的だ。
少年時代の巨人ゴリアテとの戦いでの勝利、イスラエルの王として の油注ぎ、そして、イスラエル王国の繁栄を築き、 あらゆるものを手に入れた。
しかし、sexual moralityに欠けた。
英雄色を好む、というが、その場面を、偉大な王であっても聖書は 包み隠さず明らかに記す。
ある夕暮れ時、ダビデが床から起き上がり、王宮の屋上を歩いてい ると、一人の女が、からだを洗っているのが屋上から見えた。その 女は非常に美しかった。(2サムエル 11:2)
このあとダビデはこの女、バテシェバを召し入れ関係を結ぶ。そし てバテシェバは子を身ごもる。
それが次の王、ソロモンである。
この場面、議論はある。
わざわざ王宮から見えるように沐浴するのはおかしいとか、ダビデ の参謀であるヨアブの陰謀であるとか…。
たとえどうであれ、ダビデの罪は消えない。
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姦通の罪を犯す少し前、ダビデが楽しく踊るシーンがある。
戦いに勝利したことを喜び、飛び跳ねて街に戻るところだ。
今日の聖句と同じように、楽器を鳴らし、歌を歌い、力いっぱい踊 る。ダビデが踊ったり、歌ったり、奏でたりするシーンを想像する のは楽しい。
しかし、ダビデが楽しく踊っているのを見た妻が、ダビデを軽んじ るのだ。
主の箱がダビデの町に入ろうとしていたとき、サウルの娘ミカルは 窓から見下ろしていた。彼女はダビデ王が主の前で跳ねたり踊った りしているのを見て、心の中で彼を蔑んだ。(2サムエル 6:16)
ミカルに蔑まれたことと、バテシェバの話を無理に繋げる必要はな いが、1人の男として、傷ついた自尊心をダビデも抱えていたのか もしれないな、と思ったりする。
そのダビデがまだ王に就く前、イスラエル初代王サウルから逃亡を 続けているときのシーンが、今日の聖句てある。
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ダビデは色を好むが、それ以上に音を好んだ。
竪琴の名手であったことは、サウルに召し抱えられてからの日々を 読むとよくわかる。
神の霊がサウルに臨むたびに、ダビデは竪琴を手に取って弾いた。 するとサウルは元気を回復して、良くなり、わざわいの霊は彼を離 れ去った。(1サムエル 16:23)
皮肉にもダビデはあまりにも抜きん出た音楽の才ゆえ、そしてその 美しい容姿のゆえ、サウルに妬まれ、憎まれ、殺されそうになり逃 亡する。
しかし、行く先々に神の祝福があり、奇跡があり、勝利があった。 そして、ダビデは踊るのだ。
逆境にあっても、神の祝福を信じ、感謝と喜びをもって歌い、踊る 。
王になる前のダビデの無邪気で奔放なところ。後年の惨めなところ も知っているだけに愛おしく思う。
人々に愛され、神に愛された。
そんなダビデのピュアな心を、私たちも持っていたい。